「嗚呼、趣味がない。人に言える趣味がない。履歴書に書ける趣味がない。これと言った趣味がない。何かいい趣味はないだろうか」
そんな悩みを持ったことはないだろうか。
何かに夢中になる人、熱中する人は素敵だ。輝いている。人生を謳歌している。自分もそうなりたいと思う。
では、そんな趣味にどうすれば出会えるのだろうか。
「30日間チャレンジ」で好きなことを趣味にする
元グーグル社員のマットカッツ氏は言う。「毎日ちょっとのことでいい。30日間チャレンジすれば習慣になる。それを続ければ人生が変わる」と。
ひとつテーマを決めて、毎日欠かさずにやってみるのはどうだろうか。
たとえば、アントクアリウム、人生の100のリスト、ストリートビュー、NAVERまとめ、百人一首、四コマ漫画、ぐるっとパス、早起き、あいうえお作文、エスペラント語、ポケモンGO、ラーメン二郎、はてなブログ、なんでもいい。
習慣になれば、やらないと気持ち悪くなる。それで人生が変わる保証はないが、人生を楽しむコツはつかめるかもしれない。
もし、趣味がなくて、探しているのなら、興味を持って気軽に挑戦できるテーマをひとつ決めて「30日間チャレンジ」しよう。きっと新たな出会いがあるはずだ。
というわけで、お金がかからないおすすめの趣味を紹介する。
1.「アントクアリウム」で、手軽に蟻を飼育する
無重力状態における蟻の行動を研究するため、NASAが開発した特殊なケース。それが商品化され、蟻の飼育を手軽に楽しめるようになった。
透明のプラスチックケースには、ジェル状の物体が入っている。餌にも巣にもなるこの物体。その中に、蟻を捕獲し入れるだけOK。一説によると地球に蟻は、2京ほど生息している。捕獲は容易だろう。
アントクアリウムのケースに蟻を入れると、数日で穴を掘りはじめ、巣を作る。築かれた蟻の巣は、まるでアートだ。蟻の生活を鑑賞するのは、一見悪趣味かのようにも思えるかもしれないが、ペットを飼うのはたいへんだ。餌も、トイレも、医療費もかかる。それを思えば、アントクアリウムは手間いらず。
初対面の人との会話も弾むはずだ。
「ペットは何を?」「蟻を飼ってます」「きゃー素敵!」と。
ただ、数ヶ月で蟻は死んでしまうだろう。そのときは「ありがとう」と感謝しよう。
2.「Googleストリートビュー」で世界を旅する
旅行が好きだが、お金がない。そんなときは、Googleストリートビューを趣味にしよう。
ネットに繋がった端末があれば、世界中を旅できる。家の近くを調べるだけ、学校や職場の周辺を探すだけではもったいない。使い方次第では、旅行に行った気になれる。
Googleがストリートビューのために走らせた車から撮影された画像には、その街に住む人、走る車、看板、お店、景色が写っている。日本国内だけではなく、世界中の街並みが撮影されている。中国、インド、アメリカ、インドネシア、ブラジル、パキスタン、ナイジェリア、バングラディッシュ、ロシア、メキシコ。行ったことのない国々。
また、有名な世界遺産や美術館、公園であれば、外観だけではなく中の様子も楽しめる。美術館では、作品を鑑賞することもできる。
Googleストリートビューで世界旅行をするうちに、きっとリアルにその地に行きたくなるはずだ。そのときは、リアルな旅を楽しもう。
3.「NAVERまとめ」のキュレーション記事で副収入
NAVERまとめのまとめ記事作成は、コンテンツマーケティングの基礎が学べる趣味だ。
人気のまとめ人になれば、お小遣い稼ぎもできる。自分の好きなことを調べ、面白い切り口でまとめ、読んでもらえる工夫をする。
例えば、「趣味探し」をテーマに切り口にする場合。多趣味な有名人、合コンでモテる趣味、お金がかからず死ぬまで楽しめる趣味、親子3代で楽しめる趣味、など、切り口は無限だ。
切り口が決まれば、関連する情報をまとめる。読者が満足するボリュームを心がける。もっとも重要なタイトルはユーザーの目を引くキャッチーなものにする。そして、タグを5つ設定。どのタグにするかで、読まれるかどうかが決まる。
どのような流入経路かにより評価ポイントは異なる。検索、ソーシャル、Yahoo!検索のNAVERまとめ枠、それぞれ異なる。
自分のまとめ記事のPVを増やし、評価ポイントをどう高めるか、日々研究するのも実益を兼ねた趣味となる。
4.「人生の100のリスト」で、先送りしない人生
人生において、自分が本当にやりたいことは何だろうか。
ほとんどの人は、緊急性のある「大切じゃないこと」をこなし、忙しく一日が過ぎていく。忙しさにかまけて、緊急性の低い「本当にやるべきこと」を先送りする。
「人生の100のリスト」の作成は、自分が死ぬまでにやりたいことは何か、それを考えるきっかけになる。
紙を前にして、やりたいことを書き出そう。富士山に登りたい、オーロラを見たい、結婚したい、資格を取りたい、など。10個、20個ではなく、100個リストアップしようとすると、途中で筆が止まるはずだ。そこで、自分が本当にやりたいことを考える。
自分がアクションを起こしさえすれば、実現できること。それなのにやっていないことを書き出す。
できあがった「人生の100のリスト」を眺め、思うはずだ。今すぐ、すべてができるわけではない。しかし、ひとつずつ消していこう、と。
そのリストを完了する行為は、きっと趣味になるだろう。
5.「四コマ漫画」を描いて、クリエイティブな活動に挑戦
四コマ漫画は、手軽に始められるクリエイティブな趣味だ。
紙に書かれた四つのコマを埋めるだけ。絵が下手でも心配ない。上手い人は星の数ほどいる。逆に味があると評価されるかもしれない。
ストーリーに決まりはない。話になってなくてもいい。ただ、最後にどうオチをつけるかが作品の出来を決める。読み手は、ギャップに驚きたいのだ。
多くの新聞に四コマ漫画が掲載されている。慣れ親しんでいるはずなのに、描こうと思えば簡単なのに、それを趣味にする人は少ない。無印良品に行けば、四コマ漫画専用の短冊やノートが売っている。自分で枠を書くのが億劫であれば、購入すればいい。もっとも、人気がないようで、販売が断続的になっているのが気がかりだが。
四コマ漫画を描き上げたら、撮影し、Twitterなどへ投稿するのをおすすめする。思わぬ反響を呼ぶかもしれない。
ひょっとすると、趣味ではじめた四コマ漫画が、あなたの人生を変えるかもしれない。
6.「ぐるっとパス」でお得に都内の美術館めぐり
もし、あなたが都内在住、東京近郊に住んでいるのなら「ぐるっとパス」をおすすめする。
一冊2,000円で、都内70以上の施設をお得にまわれる「ぐるっとパス」。
初回利用日から3ヶ月の間、国立科学博物館(620円)、恩賜上野動物園(600円)、日本科学未来館(620円)、葛西臨海水族園(700円)、多摩六都科学館(1,000円 ※観覧付入館券)など、多くの施設の入場料が無料となる。特別展は有料という場合が多いので注意が必要だ。
すべてを制覇しようとすると、ノルマのようになり楽しめない。2,000円のもとがとれれば良いというくらいの気持ちで利用しよう。
一日で複数の施設をまわるのなら、都区内のJR、全地下鉄、都バス、都電が利用できる1日乗車券「東京フリーきっぷ」(1,590円)の利用もおすすめだ。
「ぐるっとパス」がきっかけで、美術館・博物館めぐりが趣味になれば、きっとあなたの教養はいやでも高まるだろう。
7.「早起き」を実践し、三文の得があるかを検証
早起きは手段であって、目的ではない。理由がなければ、長続きもしないだろう。
しかし、早起きのメリットを理解すれば、きっと趣味の候補になるはずだ。
昔から「早起きは三文の得」と言われてきた。諸説あるが、三文は100円程度の価値らしい。毎朝早起きすれば年間36,500円、十年継続すれば365,000円分の得となる。たぶん、そういう話ではないが、得をするのは間違いないはずだ。
具体例を挙げる。一日のスタートを人より早く切れる、先手必勝だ。自分ひとりの時間を持てる、やりたいことができる。日の出を見られる、朝日を浴びて気持ちいい。早く出社すれば、ラッシュに巻き込まれなくてすむ。時間があれば、散歩も、映画鑑賞も、読書も、ジョギングも、サイクリングもできる。
精神的にも、肉体的にも、良いことばかりのようだ。もし、メリットに納得したのなら、早起きを趣味にしてみよう。早寝してないと、強烈な睡魔と闘うことになるだろうが。
8.「あいうえお作文」は、コミュニケーションの技術
あいうえお作文が趣味というのも、なかなかオシャレである。
決められた一文字から始まる文章を考え、全体でひとつの作品とする。発想力、語彙力も鍛えられる。
五十音にこだわる必要はない。好きな言葉で、挑戦すればいい。
まずは、自分の名前でやってみよう。「たろう」であれば、「逞しい、老眼の、浮気者」といった具合。
複数人で楽しむこともできる。4人なら4文字の言葉を決め、順番に文章を作る。最後の人がどのようなオチを付けられるかがポイントだ。
あいうえお作文の発展形に「縦読み」がある。一見すると気づかないメッセージ。テレビのラテ欄で、素晴らしい縦読み作品が話題になることも。逆に、悪用もできる。運営によってネガティブコメントが削除される掲示板。縦読みなら気づかれずに痛烈な批判もできる。
また、一見そっけない内容の手紙だが、縦読みすると愛が告白されている、などの応用もできる。
あいうえお作文を趣味にするのもまた面白い。
9.「小倉百人一首」を覚え、一瞬で勝負を決める
漫画「ちはやふる」をきっかけに、小倉百人一首を趣味にする人が増えている。
平安時代、藤原定家が京都・小倉山の山荘で選んだ和歌がベースとなる、言ってみれば、当時のおすすめの和歌100選だ。
百人一首をただ暗記するのは苦痛だ。競技かるたに挑戦すれば、小倉百人一首を楽しめる。上の句を読み上げる読み手、競技者は続く下の句の札をとる。
上の句の最初の数文字で、とるべき札がわかる「決まり字」を覚える必要がある。一文字で決まるのは、「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ」。もっとも、ルールを覚えれば、歌の意味がわからなくても競技ができるが、内容を理解すれば和歌の世界をより堪能できる。
競技かるたをやる仲間がいなければ、アプリで手軽に練習しよう。そして、地道に技を磨き、いつの日かの実践に備えよう。
和歌の内容は大半が恋の駆け引き、そして駄洒落である。小倉百人一首を趣味にして、百首覚えれば、きっと駄洒落好きの恋愛上手になるだろう。
10.「エスペラント語」で、世界中の趣味人と友達になる
エスペラント語を趣味にして、エスペランティストになる。そんなあなたにみんなツッコミを入れたくなるはずだ。
1887年、ポーランドの眼科医ザメンホフが考案したエスペラント語。ヨーロッパ系言語がベースとなった人造語である。
ただ、言語の普及は経済規模に連動する。経済を持たないエスペラント語の普及率は、世界共通語と呼ぶには程遠い100万人程度。普通に考えて、英語や中国語の方がお得だ。エスペラント語は、趣味以外の何物でもないのだ。
実益を考えず強い絆で結ばれるのも面白い。二葉亭四迷や宮沢賢治もエスペランティストであった。思想的に特徴的な言語であり、共産圏のスパイ語として体制側から敵視される時期もあったようだ。
インターネットが普及し、英語一辺倒の今、あえてエスペラント語を学ぶのも素敵だろう。
ただ、独学で言語を学ぶのは大変だ。まずは、身近にエスペラント語を話せる人を見つけることからはじめるのをおすすめする。
11.「ポケモンGO」は、日々、ゲームも進化する
いっそのことポケモンGOを趣味にするのはどうだろう。
ナイアンテックとポケモンが世に送り出した、Ingressをベースとした拡張現実を楽しむスマホゲームだ。
ジムでライバルと戦い、陣取り合戦を楽しむこともできるが、基本的に収集したポケモンを図鑑に並べてニンマリするゲームである。今後、ライバルとのバトルや交換ができるとの噂もあるが、はっきりしたことは分からない。
大きな公園ではレアポケモンが現れると人々が大挙してニュースとなった。
2016年9月時点で、ポケモンGOのモンスターは142種類。ポケモンのキャラクターは、700種類以上が存在している。今後、増えるのは間違いない。
歩きスマホ、地域格差などの問題はあるがそれらがどのように解消されるのかも、目が離せない。スマホをみなくてもポケモンが収集できる、ポケモンGOプラスが発売された。
3年後、5年後も「ポケモンゲットだぜ!」と趣味になるかは分からないが。
13.「ウォーリーをさがせ!」は、想像以上の難問だらけ
「ウォーリーをさがせ!」を趣味にしよう。
イギリスのマーティン・ハンドフォード氏が1980年代に発表した絵本は、世界中で大ヒット。
魔法使いのおじいさん「しろひげ」の命令で、時空を超え、世界中でミッションを遂行しようとするウォーリー。作品には、犬のウーフ、ガールフレンドのウェンダ、悪役のオドローなども登場。
一作目に続き、「タイムトラベラー」「ふしぎなたび」「ハリウッドへいく」「ゆめのくにだいぼうけん!」「きえた名画だいそうさく!」「謎のメモ大追跡!」と全7冊が発売されている。
絵本の楽しみは、ウォーリーを探すだけではない。「18の国旗の内、間違いがある6つを指摘せよ」「舌を出してる16人の兵隊を探せ」など、さらなる難問が用意されている。「謎のメモ大追跡!」の場合、巻末のチェックリストには182問が記されていた。
あなたは、7冊すべてをコンプリートし、「ウォーリーをさがせ!」を趣味にできるだろうか。
14.「ラーメン二郎」を趣味にして、全店制覇を目指そう
ラーメン二郎を趣味にして、ジロリアン(熱狂的に愛する人)になろう。
東京の三田が発祥のラーメン二郎。食べる前の行列、独特なオーダー方法、圧倒的ボリュームとの戦い、そして完食。もはや、「食べる」ではなく「体験する」だ。
独自ルールがある店内、最初戸惑っていた初心者も、数回来店すれば楽しめる。基本的なトッピングは、野菜(キャベツともやし)、ニンニク(刻み生ニンニク)、アブラ(味つき背脂)、カラメ(味を濃くする醤油)。それらを、ちょいマシ、マシ、マシマシなどの加減でオーダーする。ラーメン二郎を趣味にするなら、全マシにも挑戦したいところ。
また、全店制覇にも。三田、神保町、目黒、川崎、品川、高田馬場、府中、新橋、荻久保、池袋、札幌、仙台など、関東を中心に四十前後の店舗が存在。各店舗はそれぞれ個性を持ち評価が異なる。
ラーメン二郎を趣味にして、すべてを食べ終えた先には何が待っているのか。ぜひ挑戦してほしい。
15.「はてなブログ」を趣味にして、大人になろう
ブログを書く理由は人それぞれだ。
日々の生活を記録するため、承認欲求のため、お金のため。理由はなんだっていい。法律に違反したり、公序良俗に反する内容でなければ何を書いたっていい。
しかし、「はてなブログ」を選んだ人には注意が必要だ。
はてなブログは、はてなブックマークという珍妙なサービスとの親和性が高く、書いた記事が多くの人の目に触れる機会がある。他のブログサービスと比べ、より多くの反応を得られるのだ。
自分の書いた記事に反応があると、得も言えぬ快感を覚えることになるはずだ。
「私が書いた文章が、これだけ多くの人に読まれてる!ああ!今読まれてるのね!私の言葉が、頭の中が、晒されてる!あああああああ!!!!!」
そのような快感を覚えると中毒になる。もっともっと、と記事は過激になり、多くの人を傷つける記事が公開される。そして、ダメ人間になるのだ。
そのような事態に陥らぬよう、「はてなブログ」での節度を持ったブログ運営が求められる。大人であれば、はてなブログは世界で最高のブログサービスだと言える。
なぜなら、はてなブログに書かれたこの記事を、今あなたが読んでいるのだから。
まとめ
紹介した趣味の中に何かピーンとくるものがあったりして、無趣味なあなたのお役に立てれば幸いだ。