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伝説のバンド「ザ・ポリス」でスティングは何を歌っていたか

The Police

80年代に活躍した伝説のロックバンド「ザ・ポリス」。楽曲の大半を作ったスティングの歌詞は、ただ愛を歌うだけではない。今では考えづらいテーマを、独自の表現で歌っている。行き過ぎで、放送禁止になることもしばしば。スティングは何を歌っていたのか、歌詞が深い9曲を紹介する。

1.見つめていたい

「嫌いになっても、嘘をついても、別れても、ずっとずっと見続けているよ」というストーカーの歌。甘いメロディで、やさしい語り口も、次第に過激さが増す。作詞したスティングもそうだと明言しているのに、アメリカでは結婚式の定番ソングになっている。

Every Breath You Take(4:13)

2.キング・オブ・ペイン

「君とは一緒にいられない。ぼくがどんなに傷ついてるか言ってくよ」と、滝で凍え死んだ鮭、浜に打ち上げられたクジラ、蜘蛛の巣に捕まった蝶、など詩的な例をどんどん挙げていく歌。離婚問題で苦悩していたスティングが、自身の心境を客観的に歌詞にしたとも。

King of Pain(4:59)

3.マーダー・バイ・ナンバーズ

「これは、殺人数え歌。123。ABCより簡単さ」と言いながら、殺人を指南する歌。一人を殺せば、二人三人と。多くを殺せば有名人にもなれる。そして、「その世界の最高峰は政治家で、指ひとつ動かすことなく人殺しができる」というオチがつく。

Murder by Numbers(4:36)

4.インヴィジブル・サン

当時、イギリスとアイルランドとの間で激化した「北アイルランド紛争」について歌っている。一市民の視点から、死と隣り合わせの現状を嘆き、「まだ、俺は死にたくない」との思いを歌詞にする。BBCではビデオ・クリップが放送禁止になった。

Invisible Sun(3:44)

5.高校教師

女子生徒に慕われる新任教師。雨でずぶ濡れになった彼女を自分の車に乗せたことで、クラスでも職員室でも話題になり、教師生命が危うくなる。「そんなに近くにこないで、マジ、やばいんだよ」と嘆く歌。実際に小学校の教師経験もあるスティングが歌うと、意味深。

Don't Stand So Close to Me(4:04)

6.ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ

好きという気持ちは、言葉で表現できない。「言葉だと嘘になる」から、意味がないけどぴったりなフレーズ「ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ」と言わせてもらうよ、という歌。スティングがつたない日本語で「コトバダト・ウソニナル」と歌う日本語版も存在。

De Do Do Do, De Da Da Da(4:09)

7.孤独のメッセージ

無人島に流れ着いた男は、ひとりぼっち。SOSメッセージをボトルに入れて海に流す。一年ほど経ったある朝、浜辺で驚きの光景を目にする。海岸に数えきれないボトルが流れ着いていた。ひとりぼっちは自分だけじゃなかったのだ。「現代の孤独」を歌った名曲。

Message in a Bottle(4:51)

8.キャント・スタンド・ルージング・ユー

恋人に嫌われ、だれからも信用されなくなった男が、自殺しようとする歌。「耐えられない、耐えられない、耐えられない、、、」と延々と繰り返し歌うところが狂気を思わせる。BBCでは、自殺を助長するという懸念から、放送禁止となる。

Can't Stand Losing You(2:58)

9.ロクサーヌ

「売春を生業とする女性」に恋した男が、仕事をやめてくれと懇願する歌。バラードの名作。女性の名前ロクサーヌは、戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」の登場人物から引用。BBCでは発表当初、娼婦との関係を歌っていると放送禁止になった。

Roxanne(3:12)

「ザ・ポリス」とは

80年代に活躍した伝説のロックバンド「ザ・ポリス」。メンバーは、スティング(ボーカル・ベース)、スチュアート・コープランド(ドラム)、アンディ・サマーズ(ギター)の3人。7年の活動期間で発表された5枚のアルバムはすべて作風が異なる。同じ場所にとどまらず、進化し続けるバンドの表れだったとも言える。

5枚のアルバムは以下のとおり。

1枚目「アウトランドス・ダムール」

アウトランドス・ダムール

  1. ネクスト・トゥ・ユー - Next to You - 4:44
  2. ソー・ロンリー - So Lonely - 4:49
  3. ロクサーヌ - Roxanne - 3:12
  4. ホール・イン・マイ・ライフ - Hole in My Life - 4:52
  5. ピーナッツ - Peanuts (Copeland,Sting) - 3:58
  6. キャント・スタンド・ルージング・ユー - Can't Stand Losing You - 2:58
  7. トゥルース・ヒッツ・エヴリバディ - Truth Hits Everybody - 2:53
  8. 俺達の世界 - Born in the 50's - 3:40
  9. サリーは恋人 - Be My Girl - Sally (Sting,Summers) - 3:22
  10. マソコ・タンガ - Masoko Tanga - 5:40

2枚目「白いレガッタ」

白いレガッタ

  1. 孤独のメッセージ - Message in a Bottle – 4:51
  2. 白いレガッタ - Reggatta de Blanc (Stewart Copeland, Sting, Andy Summers) – 3:06
  3. イッツ・オールライト・フォー・ユー - It's Alright for You (Copeland, Sting) – 3:13
  4. ブリング・オン・ザ・ナイト - Bring on the Night – 4:16
  5. 死の誘惑 - Deathwish (Copeland, Sting, Summers) – 4:13
  6. ウォーキング・オン・ザ・ムーン - Walking on the Moon – 5:02
  7. オン・エニイ・アザー・デイ - On Any Other Day (Copeland) – 2:57
  8. ひとりぼっちの夜 - The Bed's Too Big Without You – 4:26
  9. コンタクト - Contact (Copeland) – 2:38
  10. ダズ・エブリワン・ステア - Does Everyone Stare (Copeland) – 3:52
  11. ノー・タイム・ディス・タイム - No Time This Time – 3:17

3枚目「ゼニヤッタ・モンダッタ」

ゼニヤッタ・モンダッタ

  1. 高校教師 - Don't Stand So Close to Me – 4:04
  2. 世界は悲しすぎる - Driven to Tears – 3:20
  3. 君がなすべきこと - When the World Is Running Down, You Make the Best of What's Still Around – 3:38
  4. カナリアの悲劇 - Canary in a Coalmine – 2:26
  5. 果てなき妄想 - Voices Inside My Head – 3:53
  6. ボムズ・アウェイ - Bombs Away(Copeland) – 3:09
  7. ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ - De Do Do Do, De Da Da Da – 4:09
  8. ビハインド・マイ・キャメル - Behind My Camel(Summers) – 2:54
  9. スーツケースの流れ者 - Man in a Suitcase – 2:19
  10. シャドウズ・イン・ザ・レイン - Shadows in the Rain – 5:02
  11. もう一つの終止符 - The Other Way of Stopping(Copeland) – 3:22

4枚目「ゴースト・イン・ザ・マシーン」

ゴースト・イン・ザ・マシーン

  1. マテリアル・ワールド - Spirits in the Material World – 2:59
  2. マジック - Every Little Thing She Does Is Magic – 4:22
  3. インヴィジブル・サン - Invisible Sun – 3:44
  4. ハングリー・フォー・ユー - Hungry for You (J'aurais Toujours Faim de Toi) – 2:53
  5. 破壊者 - Demolition Man – 5:57
  6. トゥ・マッチ・インフォメーション - Too Much Information – 3:43
  7. リヒューマナイズ・ユアセルフ - Rehumanize Yourself (Copeland, Sting) – 3:10
  8. ワン・ワールド - One World (Not Three) – 4:47
  9. オメガマン - Omegaman (Summers) – 2:48
  10. シークレット・ジャーニー - Secret Journey– 3:34
  11. 暗黒の世界 - Darkness (Copeland) – 3:14

5枚目「シンクロニシティー」

シンクロニシティー

  1. シンクロニシティーI - Synchronicity I – 3:23
  2. ウォーキング・イン・ユア・フットステップ - Walking in Your Footsteps – 3:36
  3. オー・マイ・ゴッド - O My God – 4:02
  4. マザー - Mother (Summers) – 3:05
  5. ミス・グラデンコ - Miss Gradenko (Copeland) – 1:59
  6. シンクロニシティーII - Synchronicity II – 5:02
  7. 見つめていたい - Every Breath You Take – 4:13
  8. キング・オブ・ペイン - King of Pain – 4:59
  9. アラウンド・ユア・フィンガー - Wrapped Around Your Finger – 5:13
  10. サハラ砂漠でお茶を - Tea in the Sahara – 4:19
  11. マーダー・バイ・ナンバーズ - Murder by Numbers (Sting, Summers) – 4:36

こうしてみると、どれも素敵な名曲ばかりだ。