吉祥寺で行列のできる羊羹と言えば「小ざさ」である。
なぜ、羊羹のために夜明け前から3時間以上も並ぶのか、その理由を説明する。また、羊羹が気になったあなたに、並ぶ際の心得、注意点、さらに「並ばずに買う方法」も紹介する。
それではいってみよう。
「小ざさ」の羊羹に行列ができる理由
値段は一本675円。一日限定150本の店頭販売。一人が買えるのは3本まで。定休日の火曜日を除き、毎日早朝から50人以上が並ぶ。その行列は40年以上に渡り、途絶えることがない。
それだけの人気には理由がある。小ざさの羊羹に同封される説明文には、店主のこだわりが記されている。
時代錯誤的に、非効率な小鍋を使用し、高価な木炭を使って折ります事からお察しいただければ、原料の厳選、その配合、製法等に、どれだけの苦心をして居りますか御想像いただけると思います。
そんなこだわりを持った羊羹は、マスコミに取り上げられたのをきっかけに入手困難となり、幻の羊羹と言われるまでになる。バブル期には1本数万円でやりとりされ、午前2時から並んでも入手できない時期があったとのこと。
今日に至っても、朝5時から並んで確実に入手できる保証はない。そんな稀少性も相まって行列が絶えないのだ。
小ざさの羊羹で知っておきたい事実
- 1日限定150本で、一人3本まで買える
- 年末の2日間だけは、限定201本となる
- 「常連さん」と呼ばれる人の指示に従ったほうが無難
- 長時間にわたって不在となると、席がなくなるリスク
- 途中、30分ほど席を外すことは許容される
- 行列に並んでいる間、隣の人との会話が楽しい
- 背もたれのついた椅子はあったほうがいい
- 朝8時半に配られる整理券に、並び始めた時間と名前と電話番号を記載する
- 整理券を持って、開店10時以降に店舗を訪れる
かつては、一人5本まで購入できた。しかし、販売されるのは150本。30人しか入手できないと店に苦情が入り、3本までと、購入上限本数が変更された。
「常連さん」という存在
行列に並ぶ50人の内、10人以上は「常連さん」。「小ざさ」の羊羹の行列に、毎日並ぶ人たちだ。毎日羊羹を購入し、食べているのかは疑問だが、彼ら彼女たちの存在は店舗黙認の存在となっている。
小ざさの羊羹を、本当に並ばずに買う方法
ヤフオクやメルカリでは、「小ざさ」の羊羹が定期的に出品されている。
しかし、これらはお店が出品しているものではない。一般購入者がルール違反で出品しているものであり、注意が必要だ。かつては賞味期限切れの羊羹を購入した人が店舗にクレームを入れ、問題となったこともあるという。
675円の羊羹が2,000円ほど。羊羹の賞味期限は半年ほどで、出品者にとっては良い商材となるのだろう。また、購入者からすれば、羊羹を買うために半日費やすことを考えれば安いものかもしれない。しかし、並んで買ってこその「小ざさ」の羊羹。並ばずに買う方法と、タイトルで煽っておきながらなんだが、賢明な判断をいただければと願う。
小ざさの羊羹に並んだ人たちのエントリー
幻の「小ざさ羊羹」をゲット! 行列してみた! | リビングむさしのWeb
時系列にまとまっていて、行列をイメージしやすい。
朝3時半に羊羹の行列にならぶ-吉祥寺 小ざさ(2013年7月28日) - 真面目に非常識なことを考える
3時半から並ばなくても買える気がする。平日は午前6時、土日は午前5時頃から並ぶ人が多いようだ。
http://shocolinjp.com/1810
温かみのあるレポート。
【梅】小ざさの羊羹を買えなかった痛みを「最高の朝食」で癒す | キャッシングでちょっと贅沢・松竹梅
52番目で買えなかった人のレポート。
小ざさの店主の人となりが分かる書籍
羊羹を練り続けて半世紀以上。「紫の一瞬の輝き」を求めて、今日も指先の神経を研ぎ澄ます。小さな屋台から始まった吉祥寺「小ざさ」物語。生涯現役!78歳の処女作。
稲垣/篤子。東京・吉祥寺にある和菓子店、「小ざさ」社長。1932年、東京都生まれ。1956年、東京写真短期大学(現東京工芸大学)卒。1951年11月19日に吉祥寺で父が「小ざさ」を創業。当時、畳み1畳の屋台の店で、19歳時から1日12時間、365日休みなく、団子を売り始める。1954年、現在の店舗がある吉祥寺のダイヤ街に移転後、品数を羊羹ともなかの2品(現在、羊羹1本580円、もなか1個54円)に絞る。以来、現在も羊羹を練り続けている。
機会があったら、また並んでみようと思う。