ホビヲログ

趣味に生きるホビヲのブログ。

トンでもない話を聞いてしまったぼくの運命【命を食べるということ】


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食べることが大好きだった。

ずっと食べていても飽きない。運動もしないのでどんどん太っていくばかり。そんなぼくが夢中になるお昼ごはん。

隣の男がポツリとつぶやいた。

「どうせ死ぬのに、食っても意味あるのかね?」

何を言うんだ、と最初は相手にしなかった。死ぬまでを懸命に生きる。そのために食べる。たくさん食べる。そんな当たり前のこともわからないのか。食べることを疑問に思うなんてナンセンスだ。

大好きなお昼ごはんがまずくなる、デリカシーのない発言に腹が立った。

しかし次に彼は、ぼくに向かってはっきりと言った。耳を疑う言葉を。

「もうすぐバラバラにされる運命だぞ」

馬鹿なことを言うな。バラバラにされてたまるか。

ぼくは寿命まで懸命に生き、天寿をまっとうするのだ。恋愛し、結婚し、子供を持ち、孫に囲まれて幸せに死んでいくのだ。そう言い返そうと思ったが、実は思い当たるフシはあった。

最近、仲間が不安そうに連れ去られていく姿を毎日見ている。大きいやつからいなくなっている。

続けて彼は言った。

「次は、お前だぞ」

たしかに、いま一番大きいのはぼくだ。しかしどういうことなのだ。くわしく聞いてみた。彼の言葉は受け入れがたいものばかりだった。

日本にはぼくらの仲間が930万以上いること、1秒間に5つのペースで命が失われること、肩、肩ロース、ロース、ヒレ、バラ、モモとバラバラにされること、環境によってどの料理に利用されるかが決まっていること、ぼくらは食べられるために生まれてきたこと、それが運命だということ。

最後に彼は笑顔で言った。

「大丈夫、きっと美味しく食べてもらえるはずだ」

たしかに次はぼくの番だった。彼の最後の言葉を信じて、ぼくは豚舎を後にした。

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そして美味しく食べてもらえた。ぼくは幸せだ。

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さいごに

昨日書いたカツサンドの記事が「何も伝わってこない」ので、やりなおせと言われたのでこの記事を書いたが、若干ホラーになってしまった。

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