ホビヲログ

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Amazonカスタマーレビューにみる、秀逸な作品レビューの書き方

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購入検討者は、レビューを求めている。

購入した家電、ガジェット、日用品。実際の機能は、使い勝手はどうだったのか。買ったものでしかわからないレビューは、購入を検討するユーザーにとって有益な情報となる。

メーカー側もユーザーレビューは常にチェックしている。自社の製品に問題はないか、改善点はないか。ユーザーの生の声を、商品の改善に活かそうとしているのだ。

では、書籍や、音楽、映画といった作品レビューはどうか

数値や機能で評価できる製品レビューとは異なる。

作品をどう評するかは、受け手の感性、知識、経験によって大きく変わる。もちろん、年代によっても、トレンドによっても。

作品を読んで、観て、自分はどう感じたか。

ただ、「おもしろい」「おもしろくない」ではなく、作品を咀嚼し、論理的に分析できるか。作者はどの作品から影響を受けたのかを考察したり、作品テーマを誰よりも深く追究し独自の見解を提示できるか。評価者の力量次第では、作者の気づいていない発見を提示することもある。

その考察もまた作品となり得るのだ。

絵本「ピーマン」の秀逸なレビューをみてみよう

絵本「ピーマン」は、2017年に発表されたカマンベール出版の作品である。

ピーマン (カマンベール出版)

かわいいピーマンが自分探しの旅へ。ブログ「ホビヲノエ」で公開されるや大人気となったキャラクター「ピーマン」のシリーズ第一作。

自分を嫌いだったピーマンが内面と格闘し、生まれ変わり、承認欲求をこじらせて、最後にみつけた本当の自分。シンプルなイラストと文章から、読者の心の中に語りかけてくるメッセージに心打たれる作品だ。

Amazonのカスタマーレビューには、秀逸な「作品」が数多く投稿されている。すべては紹介できないのが心苦しいが、3つだけ引用する。

ピーマンはどこから来たのか
ポール・ゴーギャンの「我々はどこからきたのか 我々は何者か 我々はどこへいくのか」を想起するようなシュールレアリスムを感じさせるストーリー展開です。それでいて近代的自我の目覚めを感じさせるような不思議な読後感があります。
欲を言えばもう少しピーマンの人となり(ピーマンとなり)が描かれていた方が感情移入できたかな。読後の評価は星4つですが、今後の続編に期待を込めて星5つとしました。
サイバーメガネ氏のレビュー

ポール・ゴーギャン!

個人の趣味と言ってもあなどれない絵本である。
現代の知の巨匠と言われる言語哲学者ノーム・チョムスキーは唱える。「人は言語を習得する機構を生まれながらに備えている。」これを普遍文法と言う。
この絵本には、様々なピーマンの状態が、毎ページ違う形で繰り返されて描かれており、幼児の言語や情緒の発育をより良く促すと考えられる。個人の趣味と言ってもあなどれない絵本である。
ハナ氏のレビュー

ノーム・チョムスキー!

青年期における発達課題を描いた力作
一見「自分探し」という凡庸なテーマではあるが、安易に「本当の自分」を見つけ出さず、むしろ内から出てきたそれを「見なかったことにする」という姿勢がエリクソンのいう同一性拡散からの回避を見事に描いている。短く、簡単なことばの中に著者の深い教養、あるいは自らのアイデンティティとの闘いの道程が如実に現れた力作と言える。
自分自身からも好かれないピーマンのイラストは少し不気味ではあるが、愛嬌があり、またポップな色使いも絶妙。欲を言えば、もう少しバリエーション豊かな表情が見たかった。
近田氏のレビュー

エリク・エリクソン!

まとめ

もうおわかりだろう。

レビューには、有名人を引き合いに出すと、すごくかっこよくなる!

ちなみに、絵本「ピーマン」の続編、「リーマン(Kindle版)」がリリースされた。Kindle Unlimitedユーザーであれば0円。ユーザーでなければ、99円で購入できる。

リーマン (カマンベール出版)

自分との和解を果たし会社員として歩み始めたリーマン。しかし、そこで見たモノは珍妙なサラリーマンの世界だった。ストレスとの激しい戦い、夜中に突然やってくる痙攣、毎日繰り返される同じ日々。ある時、リーマンはふと立ち止まり、忘れていた何かを思い出す。シンプルなイラストと文章から紡ぎ出されるサラリーマンの悲哀に心打たれます。

Amazonカスタマーレビューに秀逸な作品を遺すのは誰だろうか。

それは、あなたかもしれない。