あぶり餅が食べたくなって、京都の今宮神社に行ってきた。
門前の通りを挟んで、二つのお店が向かい合っている。「あぶり餅どうどすか〜」「あぶり餅どうどすか〜」と左右から呼び込みの声。どちらに入ろうか迷いに迷う。
元祖「一和」と本家「あぶりや」の戦い
向かって右が元祖「一和」
左が本家「あぶりや」
である。
二つのお店は、営業時間も同じ、定休日も同じ、メニューも同じ、料金も同じ、サービスも同じだ。
創業年数は「一和」1000年、「あぶりや」400年らしいが、この600年の差は意味がないだろう。京都の創業年数は言ったもん勝ちのところがある。
いずれかの店舗を利用すれば、駐車場の60分無料チケットももらえる。
もはや、右か左かどちらが好きかのレベルである。
今回は、向かって左の本家「あぶりや」にした
店ではおじさんが餅をコネコネし、親指の第一関節くらいの大きさにちぎりまくっている。
そして、ちぎった餅にきな粉をつけまくる。
隣のおじさんは、ちぎられた餅に竹串をさしまくっていた。
「おじさん、毎日何本くらいつくってるのですか?」と聞いたら、「そんなん数えてますかいなw」と一笑された。
店先では、餅をあぶりまくるおばさん。
炭火で焼きまくっている。
「おばさん、毎日何本くらいあぶってるんですか?」と聞いたら、「ものすご、ぎょうさんです」との答え。
数えられないほど、ぎょうさんあぶり餅をつくっているようだ。
席につくと、問答無用であぶり餅
お座敷に上がると、すぐに店員さんがやってきた。
「一人前でよろしいですか?」
メニューはあぶり餅しかないのでオーダーは人数の確認だけ。湯呑みと急須が出される。
「淹れたとこなので、2、3分待ってください」
2分半待って、お茶をいれる。
しばらくすると、あぶり餅がやってきた。
こんな感じ。
とっても甘い。
食べ終わり、竹串を数えると13本だった。一人前500円なので、一本38.46円の計算。
かつては15本だったが、本数を減らしたとのこと。調べると向かいの「一和」も15本だったのを13本にしているらしい。どちらが先に値上げしたのは分からない。
壁にかかるメニューに思わずツッコミをいれる
- あぶり餅 一人前 五百円
- おみやげは三人前から
なるほど、なるほど。
- 三人前 千五百円
- 四人前 二千円
- 五人前 二千五百円
おいおいおい!掛け算してるだけじゃないか!おい!
- あぶり餅 一人前 五百円
- おみやげは三人前から
だけで、よかったんじゃない?とツッコミをひとり入れまくった。
食べ終わって思ったこと
今回は「あぶりや」に入ったが、次は「一和」に行こう。
同じように思う参拝客はたくさんいるだろう。それが今宮神社への再来訪を促すしくみになっている。門前の二店舗、元祖と本家は、争っているようで実は協力し合っているのだ。
そんなことを思いながら、私は今宮神社に参拝することなく店を後にした。